2009年9月14日

銀座眼科集団感染事件

角膜炎感染の50人-「銀座眼科」を集団提訴

銀座眼科(閉鎖、東京都中央区)で、レーザーを使って近視を矯正するレーシック手術を受けた患者が感染症などを発症した問題で、被害を受けた患者50人は銀座眼科の溝口朝雄元院長らを相手取り、総額約1億3300万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

被害対策弁護団(団長・石川順子弁護士)は「被害者は100人を超えており、2次提訴も行う」としています。

2008年9月以降、銀座眼科でレーシック手術を受けた患者639人の1割にあたる75人が、感染性角膜炎など異常を訴えています。保健所が医療機関を通じて39人の病状調査を実施したところ、20人が重症と診断されており、このうち1人は、進行すると失明する可能性がある網膜剥離(はくり)。3人は角膜潰瘍で、4名が角膜移植を検討しています。

そもそもの感染症の原因は、角膜の表面をめくる「マイクロケラトーム」という器具の消毒が不十分だったため、感染が拡大したとみられる。保健所では、手術用の器具を消毒する機械が故障していたと言っていますが、実際は、手袋をせずに手術をしていたことがあったり手術室に手を洗う場所がなかったりするなど、不衛生な環境でずさんな手術が行われていたとみられています。

同眼科は別の眼科を引き継いで平成18年8月に開院し、消毒機器もその際にまえの眼科で使用していたものを引き継ぎ、消毒やメンテナンスは一度も行っていなかったそうです。会見で溝口朝雄院長は、今回の事件について「起きるはずがないと思い込んでいた。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪しています。

銀座眼科は、インターネットなどで9万5,000円という格安価格をPRし薄利多売を狙っていました。また、家族や友人が手術を受けると、2万円をキャッシュバックするサービスもありました。

今回の事件に関して、日本眼科学会では以下のように述べています。レーシック術後の角膜感染症多発事件について  (日本眼科学会のHPより)。

http://www.nichigan.or.jp/news/013.jsp

「銀座眼科での感染症発生は、手術器具の滅菌消毒の不具合が原因と考えられています。通常、レーシック手術は清潔な環境の中で、厳重に消毒された器具を使って行われます。きちんとした知識を持った医師が、適切な方法で清潔に手術を行えば、感染症などの合併症が起こることは非常に希です。少なくとも、感染症が連続して発生するということはまず考えられず、実際に我が国ではそのような事例はこれまでに報告されていません。」)

多数の被害者を生み出した「銀座眼科事件」が明るみに出たことで、レーシックの業界全体でこれまで以上に徹底した管理体制が望まれるようになっています。病院を選ぶ際は、安さやサービスだけで決めるのではなく、レーシックをよく理解し、ちゃんとした管理体制になっているかを調べて依頼するようにしましょう。